姫はワケあり黒猫様




「ご飯、ありがとうね」


『遠矢、』



遠矢は申し訳なさそうに眉を下げて私の隣に腰掛けた。




「何か、色々ごめんね……」



『うん、別に何とも思ってないよ。



……どっちかというと、嬉しかった。







紅羅が、引き出せて』





ギャーギャー夕季と佳祐とじゃれあっていて、それに茶々を入れる優と響。



遠矢はそれを見ながら儚い笑みを浮かべた。




「そっか。




でも、本当にありがとう」




紅羅のこと……かな?




『……うん、』





皆、気がかりだったんだ。




紅羅のあんな態度が。





今こそ無邪気に笑って皆とじゃれているが……前のままではありえなかったと思う。





すると、夕季がじゃれあいから抜けてソファに蹲って目を閉じた。




それを見て立ち上がると、遠矢に腕を掴まれて止められた。



「俺達はここで寝るからいいよ?」




そう言われたけど、そんなの体が痛くなるじゃないか。




『うー……そうか…ベッド無いもんなぁ……



ごめん。』



「いや、気にしないで。



無理矢理来た俺等が悪いんだから」




遠矢は笑って言った。




夕季……お風呂…



まぁ、朝にでもシャワー浴びさせればいいか。




そう思い直して、1つの物置部屋に向かった。





クローゼットの中には、たくさんの掛布団。




掛布団だけは、成音に貰ってたから。




必要あるのかと疑問だったけど…こんなとこで役にたった。




成音の考えに疑いを感じながら6人分の布団を持って行った。




薄いから、結構持てるよ。



重いけど。





廊下の途中でずり落ちてきた掛布団を足で上げようとすると、ふわりと上の布団が消え去った。



あー、落ちた……




と、思っていたら隣には玲が居て、4枚の布団を持っていってしまった。





『ありがとう、玲』



「……あぁ、悪いな」



『何が』



遠矢といい、玲といい………




皆謝りすぎだ!



少し不機嫌になると、玲は笑って私の膨れた頬を押した。



押すな。


てか、何で片手で持ててるんだよ。




くそう、これが女と男の差か……!






もっと不機嫌になった私は、玲を置いてスタスタとリビングに向かった。