「よし、行くか」
吹っ切れた様にサッパリと普通の洸が緩めていたネクタイを締めながら呟いた。
『うん』
私も自分の姿を見る。
黒のワイシャツにグレーのパーカー、その上に黒のブレザーを羽織っている。
黒に赤のラインが入ったスカートとネクタイ。
可愛いデザインの制服は昨日もらった時から一目惚れ。
今日もルンルンで着て来たし…
「変じゃねぇから、行け」
せーちゃんが笑いながら私の背中をそっと押して洸の居るドアへと向かわせた。
『じゃね!
暇な時は来るっ!』
「あぁ……」
笑って手を振るとぎこちなく手を振り返してくれた。
洸は欠伸をしながらせーちゃんに「んじゃなー」と言ってドアを閉めた。
ドアの向こうで「死ね!」とせーちゃんの声がしたけど、無視。
洸の横をついて歩きながら洸の説明を聞いていた。
「那琉のクラスはSだ」
『……S?』
首を傾げて繰り返すと洸は笑いながら説明してくれた。
「ここ不良校だからバカなんだけど、Sクラスは天才の集まりだ。
普通かそれ以下の奴等は全員他のA〜Dクラスに居る。
だからSクラスはA〜Dは1クラス32人前後居るのに対し、20人程度しか居ねぇ。
それに、女子はお前1人だ」
『……はぁん?』
長々しい説明聞いてあげただけでも感謝して欲しいくらいなのに女子がクラスに居ないだとぉう?
『ふっざけんなー‼』
「残念、ふざけてませーん」
洸は舌を出して方目を瞑った。
『はー、普通の女子高生ライフが遠ざかるっ!』
「……ごめんな。」
洸が悲し気に言って無理矢理笑みを作ろうとしていた。
『べっつに~!
せーちゃんと洸が居れば楽しいだろーしっ!』
洸の顔が少しホッとした様に和らぐのが横目で見えた。
『ぉ、教室ってここ?』
一番端にあるSクラスの教室は他のクラスより平均的静か。

