姫はワケあり黒猫様











『……紅羅は何が怖いの?』





手首を握っている手越しに紅羅の体の震えが伝わる。







「……何を…」






『何に、そんなに恐れているの?』










不意に、視線がゆらりとあやめかしく揺れた。





『……皆は離れていかないよ』










「黙れよ……‼






お前、何なんだよ…‼














人の領域に入ってくんな……‼」









張っていた膜は、瞳から零れ落ちて私の頬に落ちた。






それは生暖かく、でもどこか冷たかった。








『……紅羅の思っている様な人達かな?






蒼月の皆って…』










私の言葉に手首を握る力を緩める紅羅は目を見開いて頭に手を添える。











『……紅羅、1人じゃないんだから、







溜め込むことも……何も、我慢しなくていいんじゃないの?』









空いたてで紅羅の頬に手を添えると紅羅は涙をボロボロと零し始めた。














「……っ、ふ、く……」











声を押し殺して泣く紅羅は、










今までより暖かい雰囲気を纏っていた気がした。