姫はワケあり黒猫様





『……オマエ、本気で何しに来たの』


「何が?」



私がシャワーを浴びた後、すぐにバスルームに入って行って、挙句…



裸で出て来やがったこの野郎。





『最低、信じらんない』



「何とでも言え」



『シ・ネ!!』



噛み付く勢いで髪を鷲掴むと、濡れていて思わず離してしまった。



『濡れた髪ほど気持ち悪い手触りは無いね!』


「黙れよお前」



ギロッと睨む玲に、あまり怖さは感じられなかった。




何か……こう…小学生が戯れてる時…みたいな?





……怒られるから言わないでおこう。




一旦、ドライヤーを取ってそれをコンセントにさす。




「……おい」



一連の作業を見ていた玲は低い声を私にかけた。



『濡れたままじゃ風邪ひくよ?』



「……別に…」


『だーめ。


玲は、蒼月を背負っているんだから』




笑って『何てね』と言いながら玲の濡れた髪に指を通す。



『意外にサラサラだね』


「……フン」



『ツンデレのデレ無しか。



てか、それもはやツンじゃん』



「お前が勝手に言い出して何ブツブツ言ってんだよ、サッサと乾かすなら乾かせ」





『はいはい、して下さいでしょ?



素直じゃないなぁ』




クスクスと笑みを零しながらドライヤーのスイッチをいれる。





乾かし終えた時、本当に髪がサラサラでビックリした。




『案外、男の子でも髪綺麗な子って居るんだね』



「あ?」



『何でも。



ベッドは、空いてる部屋の客室にあるから』



「……なぁ」




『何?』




「……何で、お前男モンの服何て持ってんだよ。



しかも、空き部屋にベッドって…」




玲の質問は、もっともだろう。




…まぁ、せーちゃんと洸が泊まりに来た時に使うからなんだけど。





『まぁ、友人が使うときあったからさ』




「……そうか」




納得したような、してないような表情をしながら『ついてきて』と言った私の後を素直についてくる。