姫はワケあり黒猫様



『……皆は?』


「ん?


ちょっくら倉庫に」



ニコ、と掴み所のない優の笑みに違和感を覚えながらも立ち上がった。


『……今日は帰る』




「そっか、じゃぁ送るよ」



ニコッと笑った佳祐は私に続いて立ち上がった。




「送ってくる。



また後でな」



「あぁ」

「………」


優は小さく頷いて、夕季はいまだ呆然と那琉を見ていた。






那琉は、一度も彼等を振り向かず教室を出ていったーーーー















「………悲しいネェ」



「は?」



「………独り言」







優の言葉を夕季はあまり気にしなかった。



優は今はこれでいいと確信していたが…












ーーーいつか、





優の判断は誤るというのに………
























………まだ、彼等も自身も気づかない。