姫はワケあり黒猫様





「玲?


あ、那琉お帰り」



遠矢が私達の通りざま声をかけて私達を視線で追う。




遠矢は何かを察したのか、私の腕を掴んでる玲の手を掴んだ。





「………離せ」



「…姫を守る事が俺らのヤクだ。





………例え、総長からでも。」




遠矢は鋭い目を玲に向けたままだったけど、玲が私の顔をぐっと自分の胸に押し込んでから遠矢を見やった。




チラリと隙間から遠矢の顔をみると、キョトンとした遠矢の顔が見えた。




何、そのキョトン顔。




こんな状況なのに、不覚にも笑いそうになった。





「………那琉…」



「行くぞ」




玲は私の頭を離してまた引っ張り出した。




遠矢の方向をみると、もう既に後ろを向いていて表情は伺えなかった。





………そんなに、玲は怖いのだろうか。








若干の不安を覚えながら玲にされるがままに引っ張られた。