姫はワケあり黒猫様





車内はずっと無言だった。



ただ、玲のピリピリとした怒気が肌を刺激するだけ…




自分の手をパーカーの裾でおおってフードも頭にかけた。




少しでも、玲を感じられない様に。








そのまま静寂が破れる事は無く、倉庫に着いた。





着いた途端私の腕を引っ張って倉庫内に踏み出す玲。





「玲‼」



「……」


『……、』





本当に、玲?





目を覗き込むけど、玲は怒りに染めた瞳をまっすぐ前に向けていて、視線が交わる事は無かった。




交わったは、交わったで逸らすのだろうけど…




優しい瞳が私をも写してくれないのが、悲しく感じられた。