『………ん…』
耳に毛先がふわりとくすぐった感触がして声が漏れる。
くすぐったい……
その毛先の感触はなくなってまた深いところに落ちようとすると、耳元に生温かい空気が流れ込んできた。
「那琉」
ぱちっと目を開けて覚醒した。
『……玲?』
声がした方向へと顔を向けると、玲の顔のドアップがあった。
『ふぎっ‼』
鼻と唇が触れそうな程近い距離に戸惑ってさっきの方向へと顔を戻す。
違う方向から、クスクスと上品な笑い声が聞こえた。
そっちには遠矢。……と夕季がいた。
『……え?何この状況』
思わず聞くと、遠矢はまたクスクスと笑った。
「さぁ?」
意地悪気な笑みを浮かべて私を見る遠矢に殺意を抱きながら隣の夕季を見た。
すると、夕季は私を睨みつけてきたから、それに睨み返す。
「……夕季」
「…………」
玲が夕季を見て呼ぶと、夕季は一瞬玲に目を向けてさっと目を逸らした。
『……あ、玲、退く、ごめん」
しどろもどろでこの体制を整えようと言葉を発した。
私が玲に膝枕されてて、遠矢と夕季が私達を少し離れたところで見てた。
……何がどーなってる?
ぅーん。謎な状況だ。
……てか、
『寝ちゃった?私』
「爆睡だったな」
玲は口元に笑みを浮かべながら私の体を支えながら起こしてくれる。
あ、意外と紳士的。
少し関心すると、遠矢が中腰で立った。
「取り敢えず、車から出ようか?」
遠矢はドアを指差しながら困ったように笑った。
『うん。』
「「……」」
玲と夕季は無言な中、全員車から降りた。
『……でか‼』
「クスクス……」
遠矢は遠慮気味に笑いながら倉庫の入り口らしきシャッターに手をかけた。

