姫はワケあり黒猫様






『いたぁーい……』



「お前処女だったんだな」



『………もうちょっとオブラートに包もうよ』






2人で寝転んで少し話をしていた。






『処女ってわかったんなら、手加減してくれてもよかったじゃんか』





「お前もオブラートに包んでねぇじゃねぇか。





しょうがねぇだろ、俺だって初めてだったんだから」




























『………え?』





「なんだよ」



私に腕枕をして頭を撫でてる玲。







すごく、すごく女慣れしてそうな仕草してますけど。






『っ何であんなに上手いの?!』




「お前の様子見てりゃイイところくらいすぐわかる」




『っバカ玲‼』






ぐるっと背を向けると少し時間がたってから背中に熱さを保っている手が触れた。





「………那琉、この傷…」




『………あぁ、』



言われて最初はわからなかったけど、そこらへんを触りながら目を細めた。





『………事故でね。



家族と旅行中に事故にあっちゃって…私以外死んじゃった。




その時に縫った傷痕が残っちゃったの』







………悲しくて、こんな傷、みんなと比べたら…





ハッとした。




玲が動揺したようにその傷痕に触れたんだ。





『…玲も、私の汚い傷痕のある体は嫌?』










自分で聞いておいて涙がじわりと溢れてくる。






涙を拭こうと伸ばした手を掴まれて、また反対側に向かされた。






「………お前の戦った証だろう。




綺麗だ」




私を抱きしめながら傷痕を指でなぞりあげられた。





『………玲…』




じわりと溢れた涙を玲が目尻でキスをして舌で舐め取る。





『……寒いね、服着る?』




「あ?くっついてればいいじゃん」




『ばか……風邪引くとダメだから、ほら』



「はー…はいはい」




玲は溜息を吐いて面倒くさそうに服を拾い上げて着始めた。



後ろを向いた際に見えた背中に目を見開いた。







「………っ‼」




『すごい………刺青?』




「……あぁ、」





躊躇ったように言葉を溜めたけど、玲は肯定した。





思わず触ってしまっていた、玲の背中の右側を埋める大きな十字架に鎖が巻きついたデザインの刺青。






とても、綺麗だった。











ふと頭に浮かんだ優の言葉ーーー。





















ーーーーー玲は、十字架を背負ってる。












こういう意味だったのか。





『綺麗だね』





「………ちげぇよ、コレは























俺の一生背負っていく罪だ。」











玲は背中をさっさと隠すように服を着て私に服を投げた。





「着替えろ」




『………後ろ向いてて』





「何で?さっきも見たじゃん」





『そ、それとこれとは訳がーー』







結局言い合いをするのも面倒くさくて素直に着替えた。












何故誰も部屋を訪れなかったのか不思議に思ったら、玲がメールをしていたらしい。








ご飯も夕季が作ってくれたらしく、私と玲は食堂へと向かった。