「2人とも遅い!」
『ごめんね、紅羅』
「うっせーなチビ」
「夕季にチビって言われたくないよ!」
「んだとこのドチビ…「はいはい、そこまで。ご飯食べよう」
遠矢が呆れながらも仲裁に入り、佳祐もギャーギャーと言う夕季を抑えていた。
「わーい。」
紅羅は口いっぱいに焼きそばを含んでムッシャムッシャと食べ始めた。
皆もそれぞれ一つずつパックを取り出して食べ始めた。
「美味しい」と皆言いながら食べてくれてとても嬉しかった。
私も自分のを取り出して食べ始めたけど、残ってしまった。
『……』
残った焼きそばと睨めっこしてると、紅羅がひょっと正面から顔を覗き込んできた。
「那琉?焼きそば食べないの?」
『……お腹いっぱいなの』
「えー、捨てちゃうの?」
しょんぼり、と効果音が付きそうな顔をした紅羅に『食べる?』と聞くと明るく返事をした。
『口開けて』
「あ~」
もきゅもきゅと食べる紅羅はハムスターだハムスター。
「……身長も小さければ中身もチビっけぇな」
「何だと?!」
「やるか?チビ」
夕季が売った喧嘩を紅羅が買ってしまった。
はぁ、と溜息を吐くと玲は「要らないのか?」と焼きそばを見ながら聞いてきた。
『うん、玲食べる?』
「……食えないなら食うけど」
『うん』
玲の開けた口に焼きそばを入れると玲は全て食べてくれた。
無事、私のパックも空になり、全ての空パックを重ねて袋にまとめて皆でゆったりとしていた。
「もう戻ろうか」
遠矢がそう言ってパーカーを着込んだ。
確かに、夏なのに少し肌寒い。
私もパーカーの袖をきゅっと伸ばした。
「えー?まだ遊びたいよ」
「……勝手に風邪ひいとけ」
響が冷たくそう言うと渋々という感じで紅羅は砂浜から私たちのところまできた。
「ここは山が近いからな。
夏といえど夜は結構寒い」
玲はそう言ってジャージのポケットに手を突っ込んだ。

