姫はワケあり黒猫様








『……別に、信じなくていい』







ポツリと呟くと夕季は不思議そうに眉を寄せた。










『信じなくていい。でも、言い切れる。







私は皆を裏切らない…裏切れないよ。







勿論、夕季のことも……』















「……んだよ…何なんだよソレェ…」






前髪をぐしゃっと掻いて唇を噛み締めた夕季の頬には、










静かに透明な粒が滑り落ちていた。














































夕季の頭をポンっと撫でて焼きそばをパックに詰める。






「スンッ、手伝う」





夕季は鼻を啜りながらパック詰めした焼きそばを袋にいれた。




『よし、皆待ってるし行こうか』






「…那琉。」





夕季に真剣な声で呼び止められ、焼きそばの入った袋を揺らしながら振り向いた。








表情も真剣そのもので目線をそらせなくなった。















「……俺を見くびるなら、信じてやる。







だけど、破った場合は即刻敵だ」















夕季はそう言うと、私の横を通り過ぎて「よこせ」と、袋を奪い取って先に歩いて行ってしまった。








不器用な優しさに笑みが零れて夕季の後ろを走ってついていった。