『何作るー?』
「何があるんだ?」
2人とも手を洗って冷蔵庫を漁る。
『ほぼ何でも揃ってる。
軽く持ってけるものがいいし、焼きそばにする?』
「あぁ、それなら簡易パックが棚に…」
『ソースは…………』
料理になると何も私に嫌味を言わず作り出す。
少し疑問にも思ったけど、まずは料理を作らなきゃ。
キャベツと人参を切っていると、夕季は私の隣に並んで手伝ってくれた。
…………やっぱりおかしいよ。
『………夕季、』
「何だよ?」
『………何、気遣ってるの』
包丁が人参を分けた時、夕季は目を見開いて動揺したように手を浮かせた。
「………何を…」
『ずっと思ってた。
夕季はどこか私に優しくするのと厳しくするの、完璧に使い分けて私との間に空間を作ってる。』
夕季はごくりと喉仏を上下させて目を泳がせた。
『…私が、羨しいの?』
そう聞くと夕季は私の体を突き飛ばして壁に押さえつけた。
顔の横には両手。
足の間には滑り込ませられた足。
目の前にあるのは、
悲しみと怒りに満ちた綺麗な顔。
「お前には一生わかんねぇよ‼」

