ピピッ
小さく鳴った機会音に目を開けるとそこは既に目的地の駐車場ゲートだった。
駐車場もID無しには入れない。
建物はパスワード、指紋認証と面倒くさいことだらけだ。
だけど、それもあの人達の安全の為だと思えば苦にはならない。
適当な場所に車を停め、成音は後部座席に座る私を運転席から振り返った。
「着きましたよ」
『わかっています』
淡々と紡がれた言葉はどことなく自分でも冷たいと感じた。
IDを翳し指紋認証とパスワードを解除し、中へと入る。
エレベーターを降りて廊下を抜け、ガラスの大きな扉を開けると弾けんばかりの明かりが辺りを染めた。
「社長!」
そう。
私は、紛れもない
伊音財閥のトップだ。

