姫はワケあり黒猫様





『毎度ありがとーございます』



「……心がこもってねぇよ」



『ははっ、いや、感謝してるよ』





軽い会話をできるほど親しくなったんだよね。




なんだか、不思議だよ。





『んじゃ、また旅行の時』




「あぁ。



その日だけは空けておけよ?」




『わかってるってー』



「どうだか」




玲はクックと喉を鳴らして笑いながらドアを閉めた。






「じゃーな」




『おやすみ』








車が来た道を行くのを見送ってからセキュリティをといて部屋に向かった。





部屋のクローゼットの隅にある5着のスーツのうちの黒の銀のストライプが入ったものを着る。





インターホンが鳴ってそれと共に上着を手に持って外に出た。







案の定、居るのは成音だった。





少し不機嫌に見えなくもないが、エレベーターを押さえて待ってくれていた。






それに乗り込んで下にあった車に乗り、静かに目的地に向かった。