ピロリン
小さく鳴った音は着音ではないから、パソコン。
『あ、成音』
新着メールをクリックして見ると「家行く」と書いてあった。
……あれ?
成音サン、成音サン。返信になってない。
そんなことを考えてるうちにガタガタとドアの向こうで物音が聞こえた。
……あらまぁ、お早いご到着で。
ガチャ、と案外静かに開けられたドアを振り向くと同時にふわりと温かいものが体を包んだ。
「はぁっ…
なんだよ、あのスケジュール」
『…逆に何が?』
「自由期間、中旬の3日間だけじゃん」
『……今まで、成音に任せっきりで目を背けてきたから…さ……』
「そんなの……」
『いいの。
決めたの。……せーちゃんからも成音が困ってるの、聞いたから』
「チッ…あの木偶の坊…」
で、木偶の坊って…………
『とにかく!私は迷惑をかけたくないの!
あそこは私の大事な居場所なんだから』
そう言うと成音は溜息を吐いて小さく呟いた。
「……たまには友達の所にも行きなさい。
でないとバレる可能性がありますから」
成音は私の思考まで知り尽くしている。
だから、何かと頼っちゃうんだよね。
『ありがと、成音』
少し微笑んだ成音はまたすぐに帰っていった。

