姫はワケあり黒猫様






『玲は、優の目が好きだって言ってた』




「……目?」






優はもっと不思議そうに自分の目元を指で触れた。




私も指を伸ばして目元をなぞる。





くすぐったそうに目を細める優にクスッと控えめに笑う。







『まっすぐな、曇りのない瞳が羨ましかったんだって。』







玲には口止めもされてないし、言ってもいいよね?






『それで、仲間にしたい、って本能的に思ったんだって。




ほら、玲って野生本能時々働くじゃない?」




「……あぁ、うん」





妙に納得したように頷く優に少し戸惑うような表情が見てとれた。




『……優、』













優は私を見て薄ら涙を浮かべた。












『優は、蒼月の人だよ』













まだ片腕同士で抱きしめあっていた体は、優に引かれることでまた密着した。












優は、静かに涙を零した。









綺麗事は綺麗なモノが全てでは無い。










ただ、私は








綺麗事は、嫌いであり好きだとも思う。

















……人を、救えて











自分が頭を殴られるような鈍痛に悩まされるだけで済むのだから。




















優は私の肩に顔をうずめて静かに涙を流した。