『せーちゃぁん……』
「お、那琉」
銀縁のメガネをかけたせーちゃんはお仕事中のようだ。
結局あの後こっそり私は理事長室に来た。
『皆酷いよ~自由が無くなる~』
「……嫌なら退学させようか?」
『いや、結構です』
せーちゃんの本気の顔に即答してしまった。
いやいや理事長、ダメだろ。
若干せーちゃんに理事長は向いていないと考えたが、今までやれているのだから大丈夫なんだろうな、と思った。
『成音帰ってこない~』
「あー…成音も最近那琉と話してないってボヤいてたな」
『ウソッ?!マジっ?!』
「大マジ」
苦笑したせーちゃんはメガネを取って腕を広げた。
突っ立ったままの私を「おいで」と優しい声で呼んだ。
それに答えてせーちゃんに抱きついた。
「何か昔を思い出すな」
『むー、今は重いでしょ』
「那琉はいつも軽いよ」
ケラケラと笑って私の肩に顔をうずめるせーちゃん。
「……学校、楽しいか?
あいつ等のおかげで」
『うん、楽しいよ』
「……お前はさすが彰-Akira-さんの子だな。
強いわ」
『フフ、当たり前だろー!』
せーちゃんの背中に回していた手を頭に移動させてわしゃわしゃとかき混ぜる。
柔らかい髪は手触りがよくてやめられない。
「こら、これから会議あるんだから」
『んー、そっか』
渋々やめてあげたら、セーちゃんはふぅと、と息を吐いた。
「……那琉、夏休みはどうすんだ?」
『何でー?』
「……いや、別荘にでも行ったらどうだ?と思って。蒼月の奴等と」
その言葉に笑った。
『それもいいね。
その時はせーちゃんも来る?』
洸も誘って、と付け足すとせーちゃんは笑って「仕事片付けとくゎ」と楽しげに言った。

