「……空き教室、嫌なのか?」
チラリと隣を見ると、表情を歪ませた玲の顔が見えた。
その表情に驚いて目を見開きながら玲の頬に手を添える。
『……好きだよ、皆と居る時間』
「……」
『ただ、私の大切な人はたくさん居るから……』
皆大切にしたいの、と続けようとした言葉は玲の胸板により、遮られた。
「……いい。行って来い」
『ホント?ありがとう』
体を離した玲はさっきとは打って変わり清々しい表情をしていた。
……私の心配を返してくれ。
頬を引き攣らせると優と響、夕季が私を見て「騙されてヤンのーー‼」と大変バカにしてくれた。
「……那琉、バカだね」
目に光を宿さず只々呆れの一色を瞳に写す紅羅。
遠矢は俯いて必死に笑いを堪えていた。
「……ブフッ…」
……いや、堪えられてねぇよ。
皆にバカにされ、私は顔をこれでもかっというほど真っ赤にさせた。
『〜〜〜っ‼
バカぁぁああ‼』
そう叫ぶと、余計に皆に笑われた。
玲も、目を細めて口角を自然に上げて。
キラキラした皆の笑顔は
何だかカッコいいと、思った。

