姫はワケあり黒猫様





下にあった車に乗り込むと皆はあー涼し、とか言って笑っていた。


……何が楽しいのかわからないけど。


玲も、皆が笑っているのに怪訝な顔をしていた。





「テスト発表がすぐなところに疑問が残るよね~」



「一体、教師に何やらせてんだか」



紅羅がオレンジジュースを飲みながら不思議そうに首を傾げる。



それにのって響も窓の外を眺めながら溜息を吐く。




「那琉どうする?



空き教室と教室」


……教室以外に空き教室って選択肢が当たり前のようにあるのね。






『……あ、せーちゃんとこ行こうかな』







少し考えてから久しぶりに話したいな、と思って思わず口にしていた。




その言葉に空気が凍ったことに私は気づかなかった。




「……空き教室来るよな?」



佳祐が青い顔で私に求めてくる。




聞いてきたのはそっちじゃないか。




眉をひそめて佳祐を見ると、隣から黒い何かが見えた気がして横をみる。





……わぉ。




目があったけど、サッと逸らした。



…ダメだ。



アレはダメだ。



ダラダラと流れる汗を気にすることもできないくらい焦った。




「……」



響と遠矢は視線で「バカ?」と言っているように見える。




紅羅はオロオロとしていて、優と夕季はだんまりを決め込んでいる。





紅羅だけじゃん‼




『……れ、玲…サン』


「……」




返事が無い‼



冷や汗が背中に伝ってゴクリと喉を鳴らした。