姫はワケあり黒猫様







ベランダに1人で出て大きく息を吐く。


今日は全体的に息苦しかった。




色々な顔をする皆は掴めない。



私がダメ人間なだけかもしれないのだけれど。





そう認めてしまうと人生つまらなさそうなので何も言わないでおく。








リビングからは何も聞こえてこなくて皆寝たかな?と思った時、ドアのノック音が聞こえた。







「那琉?」





壁を隔てて聞こえる玲の声はくぐもって聞こえた。






『何?』




ベランダから星を見ながらそれに返事をするとキィ、と音が鳴った。






「那琉、」




くるりと後ろを向くと見える玲の顔。





その顔はとても安心したような優しい雰囲気に包まれていた。