私は伸治くんの顔を見ずに、海から出た。
……どうしよう。心臓がうるさい……。
ふいに抱きしめられて、ついドキッとしてしまった。
何ドキッとしてんのよ、私ったら!好きじゃないんでしょ!
自分でそう言い聞かせるけど、心臓の音は収まらない。
はぁ。なんでこんなに意識しちゃうんだろ……。
木陰で休みながら、私は1人、考えていた。
「―おい。おい!起きろ!」
……うん?この声は、伸治くん?
「さっさと起きろ。……じゃないとキスすんぞ」
「……ん?キス?……キス!?!?」
私は飛び起きた。
「やっと起きたか……。もう夜だぞ」
「え?いつの間に!?あれ?なっちゃんたちは?」
「先に帰った」

