「もういい!伸治くんなんか知らない!」 そう言って、私が海から出ようと足を踏み出したその時。 「きゃ!」 砂に足をとられて、バランスを崩してしまった。 ダメだ!倒れる! そう思って目をつぶったその時。 「おっ……と。ったく何してんだよ」 ふわっと体を抱きしめられた。 「ありがと……」 「足、大丈夫か?」 伸治くんの体温や匂いが伝わってくる。 「うん。もう平気。でも、ちょっと休んでくる」 「そうか。なんかあったら呼んで」 「分かった」