「そうだね」 私はなんだかうれしかった。 そういえば、入学式の日って…… あの約束をした日だ……。 「あ、そういえばさ、探しながら思い出したことがあんだけど」 ギクッ! おそるおそる伸治の方を見ると、何かを企んでいる顔をしていた。 やばっ……。逃げなきゃ……。 「そ、そうなんだ?じゃ、あたしは用事が……」 そう言って、立ち上がろうとすると、 ガシッ! と腕をつかまれた。 「逃がすかよ」 うっ……。