とりあえず、俺と愛実は向かい合って座った。
「あたしはもうほとんど話したんだから、しんちゃんがしゃべってよね?」
「はいはい……」
俺はそう言って、自分が考えていたことを話した。
「まぁ、要するに、お前を守る必要がなくなり、気まずくなったから旅立とうと思ってた」
「なんであたしのことを守るの?」
「親父達との約束が、それだったから」
そこまでは、麻衣香も知らなかっただろうな。
「それだけ?それだけで麻衣香さんと付き合ったりしたの?」
こいつ、こんなに鋭かったか?
俺も一瞬疑問に思ったことを聞いてくるなんて。
確かに愛実の言うとおり、そこまでやる必要があるのか疑問だ。
せめて、他の方法を考えるとか。

