俺は麻衣香と別れたし、愛実も村田と別れたらしい。
てことは、今までどおりでいいんじゃねぇか?
「フッ……もう遅いよ」
愛実にそう返事をすると、俺は近くにいた係員に話をし、飛行機に乗るのをやめさせてもらった。
「え?なに?どうしたの?」
「もう行く必要ないから、やめた」
俺がそう言うと、少し間が空いてから、
「えぇーーー!?!?」
と愛実が叫んだ。
「とりあえず、帰ろっか」
そんな愛実に構わず、俺は愛実の手をつかんでスタスタと歩き始めた。
そしてあっという間に家に帰ってきた。
中に入ると、なつみの荷物はなくなっていた。
ま、翔也がしゃべって、こうなることを予測してたんだろうけど。

