「えっ?」
しんちゃんの言葉が聞こえなくてそう聞き返したけど、しんちゃんはそれには答えずに、近くにいた係員と話をし始めた。
そして、なぜかそのまま飛行機の方ではなく、私のほうに向かってきて、こちら側に出てきてしまった。
「え?なに?どうしたの?」
私がそう聞くと、
「もう行く必要ないから、やめた」
と、しんちゃんは平然と言った。
……え?
「えぇーーー!?!?」
「とりあえず、帰ろっか」
そう言うと、しんちゃんは私の手をつかんでスタスタと歩き始めた。
私はわけも分からずついていき、あっという間に家に着いてしまった。
もちろん、ちゃんと自転車も持ってきた。
中に入ると、なっちゃんの荷物が消えていた。
代わりに、一枚の置き手紙があった。

