「確かに付き合ってたけど、あたしはしんちゃんのことが好きだったから、村田くんのことは好きになれなかった。だから、今日別れたの」
「じゃあ最初から付き合わなきゃよかったじゃん?」
しんちゃんにこう言われ、私は素直に話した。
「だって、しんちゃんが麻衣香さんと付き合うから、忘れなきゃと思って……。そしたら、なっちゃんが村田と付き合ってみる?って」
「まじかよ……」
「あたし、本当はしんちゃんにメールした日に告白しようと思ってたんだけど、麻衣香さんに先越されちゃったし……」
「それは……」
「麻衣香さんから聞いた。なにもかも」
「っ!!」
しんちゃんは私の言葉にびっくりしていた。
「今までありがとう。もう行かないと、乗り遅れちゃうでしょ?」
私がそう言うと、しんちゃんは「フッ」と笑った。
「……もう遅いよ」

