さっきよりも近くで聞こえたその声が、どの方向から聞こえてきたか分かった俺は、ゆっくりと首を回した。
そして、半年以上同じ家で暮らしていた、彼女の姿を見つけた。
「愛実……」
なんでここに?
俺が疑問に思っていると、愛実は俺の目を真っ直ぐ見て叫んだ。
「言い残したことがあるの!」
愛実が俺の目を真っ直ぐ見てそう叫んだ。
俺は急いで引き返し、愛実の前に立った。
「なに?」
とりあえず、俺はそう聞いた。
愛実は一度深呼吸してから、こう言った。
「あのね……あたし、しんちゃんのことが好き」
「……え?」
俺は予想もしてなかったその言葉に驚きを隠せなかった。
~愛実side~

