俺は喫茶店を出て、搭乗口に向かった。
~愛実side~
走っていくと、伸治くんらしき人影がちょうど手続きを終えて、行ってしまいそうなのを見つけた。
「―…伸治くん!!」
思いっきり叫んでみたけど、気づいてくれなかった。
でも、やっぱりあれは伸治くんだ。
どうにかして気づいてもらわないと。
考えている間にも、伸治くんはどんどん遠ざかっていく。
待って。行かないで!
まだ、言ってないことがあるの!
だから、行かないで!!
「…―しんちゃん!!」
私は泣きそうになりながら、無意識にそう叫んでいた。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…