麻衣香は、何を言われるのか分かっているようだった。
最後に、愛実への手紙を書いて、荷物を持って愛実たちの家に向かった。
合鍵を使って入ると、二人ともいなかった。
テーブルの上に手紙を置き、家を出て鍵を閉めると、俺は待ち合わせの店に向かった。
店に着いたのは、ちょうど3時ぐらいで、麻衣香はもう来ていた。
「単刀直入に言う。別れて欲しい」
俺はそう言った。
「海外に行くんでしょ?愛実ちゃんとも離れて」
「ああ」
きっと校長から聞いたんだろう。
「海外に行くからってのもある。でも、やっぱりお前とは付き合えないよ」
「なんで?愛実ちゃんにもみんなにもばらしちゃうわよ?」
「ばらしたきゃばらせばいい。まあ、もう必要がないからしないだろうけど」

