油断した隙にキスされて、それを愛実に見られるなんて……。
あいつのこと、守ってやれるわけがない。
「はぁ……」
そう考えたら、思わずため息が出てしまった。
「っ、すいませんでした!」
愛実はそう言うと、勢いよく走って行った。
「見られちゃったね」
麻衣香はあまり気にしてない様子。
「……」
俺は、もう愛実と一緒に暮らすことなんて出来ないと思った。
お互い、平気でいられるわけがない。
なら、俺がいなくなればいいんだ。
そう思った俺は、すぐに翔也に電話をした。
「もしもし、翔也?今日からお前の家に泊まりたいから、なつみと俺、チェンジな」

