次の日、愛実は俺と一緒に行こうと思ってたらしいが、俺は理由をつけて拒んだ。
俺は、愛実を守らないといけないと思ってここまでやってきた。
しかし、村田が愛実の彼氏となった今、その役割は村田にある。
つまり、俺はもう守る理由がない。
それにたぶん、親父との約束のためだけに守っているわけじゃないと思う。
じゃなきゃ、ここまでやる必要がない。
それに、守るって言いつつもちょっかい出してたし……。
だから俺は、今日、村田に任せられると思ったら、愛実とは関わらないようにしようと思っていた。
彼氏がいる愛実にとって、俺は邪魔でしかないのだから……。
遊園地では、麻衣香が常に俺の横にいた。
正直うっとうしいと思ったが、愛実が村田と一緒になるにはしょうがない。
突き飛ばしたいのをこらえながら過ごした。
「ねぇ!おばけ屋敷行こうよ!」
夕方になって、麻衣香がそう提案した。

