『おう!伸治か!さっそくだが、俺が今海外に居るのは知ってるよな?』
「ああ、知ってるけど」
『しばらく、こっちにいないといけねぇんだよ』
「しばらくって?」
『そうだな……早くて、十年かな』
「は?」
じゅ、十年!?
『だからよ、母さんがこっちに来たがってるんだが、お前はどうする?』
「どうするって……」
いきなりこんなすごい話を聞かされて、俺はパニックになりかけてた。
「俺は……学校だってあるし、そもそも今は愛実と暮らしてるし、行きたくねぇ」
俺がそう断言すると。
『ハッハッハッ!』
親父がいきなり笑い出した。