「楽しかった?」
「うん!」
今は、ちょうど3時ぐらい。
あれから、忘れようとなんどもがんばってみたけど、忘れることは出来なかった。
楽しかったのは確かだけど、こんな気持ちじゃ、やっぱり啓太に失礼だと思う。
「ねぇ、啓太。ちょっと話、いいかな?」
私は、意を決してそう聞いた。
「……うん。いいよ。じゃあ、あそこで何か買って座ろうか」
啓太は、何かを感じ取ったのか、少し気まずそうにそう言った。
ごめんね、啓太……。
売店でそれぞれ飲み物を買い、横に並んでベンチに座る。
「あのね、啓太。あたし、今日すごく楽しかった!ありがとね」
「ほんとに?楽しんでもらえた?」
啓太は驚きながら、不安そうに聞いてきた。