~愛実side~
待ち合わせ場所は前と同じ。
約束した時間の10分前に来てしまった。
「ちょっと早すぎたかな……」
辺りを見回してみると。
「あ!愛実!」
啓太ももう着いてたらしい。
私は啓太のそばに駆け寄った。
「今日はおもいっきり楽しんでね」
「うん!がんばる!」
私達は遊園地の中に入った。
「どこから行く?」
「えっとね……」
私達は主に、この前来た時に行ったところに行った。
啓太と一緒にいるのはとても楽しかったけど、どうしても、頭から離れないことがあった。
それは、昨日の伸治くんのこと。
生徒会室では、何もなかったように接してきて。
帰り道では、壁を感じて。
最後には、意味深に「バイバイ」って言ってきて。
なんだか、昨日で本当にお別れみたいな、そんな感じがした。
本人に確かめる勇気もないし、勘違いかもしれないから、何も行動を起こせない。
結局、答えは見つからない。
ダメだ!こんなんじゃ、啓太に失礼だよ……。
私は、伸治くんのことは忘れて、今を楽しまないと!と思い直した。