「……で、啓太に他の家で暮らしたら?って言われてなっちゃんに電話したんだけど……」
「私から古川先輩のことを聞いて、今に至るってことか……」
「うん。そんな感じです」
なっちゃんはその話を聞いた後も、何かを考え込んでいるようだった。
「……古川先輩は、なんでうちに来たのかな?」
ドキッ!
「あ、あたしがキスしてるとこ、見ちゃったからじゃないかな……?」
「でもさ、それぐらいでこんなに拒否らなくてよくない?」
「伸治くん、あたしのこと見たときにため息ついてたし、よっぽど嫌だったのかも……」
たぶん、そうだよね……。
「だとしてもさ!その麻衣香とかいう女のところにいけばいいじゃん?それか自宅に帰るとか……」
確かに、それは私も疑問に思った。でも……
「照れくさかったんじゃないのかな?それに、自宅に帰ると私の親にも広まっちゃって心配されそうだし……」

