「あれ!?愛実!!」
啓太がそう叫ぶ声が聞こえた気がしたけど、とにかくなりふりかまわず走った。
遊園地から出てすぐのところで、啓太が追いついてきた。
「愛実……。ねぇ、何があったの?今日、あんまり楽しそうにしてなかったよね?」
私は、啓太に自分の気持ちを言うべきかどうか迷った。
すると、そんな私の様子を察したのか、啓太が口を開いた。
「……愛実さ、古川先輩のこと、好きなんだよね?」
「え?なんで……」
「いつも見てるし、それぐらい分かるよ。それに、今日だってずっとあの二人のこと気にしてたでしょ?」
「……うん。ごめんね」
気づかれてたんだ……。私、最低だな……。
「別に愛実は悪くないよ。しょうがないしね」
「啓太……。ありがと」

