コースターが動いている間、私の目の前では麻衣香さんが伸治くんにしがみついていた。
伸治くんは、麻衣香さんにくっつく訳でもなければ、振り払おうとする訳でもない。
それを見ていた私は、とても複雑な気持ちだった。
その後も、ミラーハウスやコーヒーカップなど、いろいろなアトラクションに行ったけど、伸治くんと麻衣香さんは常に一緒にいた。
私も、啓太に心配掛けないように、なるべく笑顔でいるようにしていた。
「ねぇ!おばけ屋敷行こうよ!」
「いいですね!」
「……」
麻衣香さんは最初とかわらずにハイテンションだ。
啓太もかわらずに付いていっている。
伸治くんはほとんど何もしゃべらない。
私はそれを見ている、という感じ。
けど……おばけ屋敷はちょっとな……。

