「それだけ?」
もっと違う理由がありそうだったけど……。
「他にもあるかもしれないね。でも一番はそれだよ」
そう言うと啓太は前を見てスタスタと歩き出した。
うーんなんかありそうだけど……。
「ま、いっか!」
私は置いていかれないように後を追った。
「ただいまー!!」
出来るだけテンションをあげて家に入る。
さっき、啓太に家まで送ってもらった私は、そのままなっちゃんの家に荷物をとりに行き、再びここに戻ってきた。
「おう!おかえり」
伸治くんもいつもよりちょっとテンションが高い気がする。
「ねぇねぇ!ダブルデートっていつするの?」
私が昨日のことに触れないように、なるべく笑顔を作ってそう言うと、伸治くんは台所に向かいながら答えてくれた。

