「うん!前にちょっと話したんだよね?」
そういって私のほうを笑顔で見る麻衣香さん。
でもその笑顔には、変なこと言わないでよね!という思いがこめられているように見える。
「あ、はい。そうですね……」
私は顔を引きつらせながらもそう答えた。
「ふーん。そうだったんだ?」
伸治くんは何も疑わずにその話を聞いていた。
「あ!もう休み時間終わっちゃう!先生探さなきゃ!またね!愛実ちゃん♪」
「ほんとだ、急ごう!じゃ、また」
そういって二人は去っていった。
はぁ。やっぱりなんか嫌だな……。
でも。伸治くんはクールな感じだったから麻衣香さんの前では演技してるのかな?
だとしたら、まだそんなに仲いい訳でもないのかな?
「あーもう!わかんない!」