「さっきの人、上履きの色からすると先輩だよね。古川先輩の話でもされた?」
「え!?あ、いや、その……」
なっちゃん鋭すぎるよ~!!
「……つぐみ。私になんか隠してることない?」
なっちゃんは私の目を真っ直ぐと見つめてそう問いかけてきた。
私はそのなっちゃんの目を見て、隠し事はしたくない、と思った。
「ごめんね、なっちゃん。今日時間ある?」
なっちゃんは静かにうなずいた。
放課後、私はなっちゃんと学校の近くのファストフード店に寄った。
私はオレンジジュース、なっちゃんはアイスコーヒーを注文し、向かい合って座った。
「……私ね、伸治くんのこと、好きになっちゃったんだ」
「……なぁんだ。そんなことか」
え?そんなことって……
「そんなの前から分かってたし。ていうか今頃自覚したの?」