~愛実side~
教室から見える良く晴れた青空。
10月に入り、少しだけ肌寒くなってきた。
最近は特に騒ぎもなく、平穏な日々を過ごしていた。
そんな時。
「つぐみ!ドアのとこで誰かが呼んでるよ!」
なっちゃんに大声で呼ばれ、はっとしてドアの方を見る。
確かに、私のほうを見ているけど、私はその人に見覚えがなかった。
ただ、上履きの色から、伸治くんと同じ学年の先輩だということは分かる。
不思議に思いながらもドアに向かった。
「あなた、山本愛実さん?」
「はい。そうですけど……」
「ちょっとこっちに来て」
するといきなり腕をつかまれ、人気のない方へと連れて行かれた。
ま、まさかまたあの時みたいに責め立てられるんじゃ……?