「え!?ちょ……」
呼び止めようか迷っている間にも、伸治くんはどんどん進み、次第に距離が離れていき、とうとう姿が見えなくなった。
もう!信じらんない!勝手に一人で行くなんて!
……そりゃ、入るって言ったのは私だし、強がったのも私だけど……。
だからって、置いてくなんて!
「もう伸治くんなんて知らない!」
思わず立ち止まってそう叫んでしまった。
だけど、真っ暗な部屋の中、何も聞こえずにシーンとしている。
「……さっさと出よ」
そう思って再び歩き出そうとしたその時、
トントン「おじょうさん」
誰かに肩を叩かれ、声を掛けられた。
「はい?」
何の疑いもなく振り返ると……

