すると、ヒューードーン!という花火の音が聞こえてきた。
慌てて会場の方を見たけど、全く見えなかった。
「はぁ。花火見れなかったな……。それに、伸治くん、浴衣の感想なんにも言ってくれなかったし」
せっかく着たのに……。
「あーもう!なんかイライラしてきた!ムカつくー!!」
大声を出して、ストレスを発散させていると。
「……ハァハァ。こんなとこにいたのかよ」
「!!伸治くん!?」
「ったく。勝手に帰ってんじゃねーぞ」
伸治くんは私のほうに向かって歩いてくる。
そして、目の前に立ち止まり、
「ほら、いっしょに帰るぞ」
私に向かって、左手を差し出してくれた。

