『(音大生か…楽器屋の社長の息子だもんね)』 車はどんどん街の中を走って行く 車内は無言のまま、沙紀は外の風景を眺めている しばらくすると学校が見えてきた 「ここだよ、沙紀の行く高校」 『……ここか』 「安心しろ、従妹も通ってるから」 『本当!?』 「ああ」 『(従妹か、初対面ってそんなに得意じゃないからな)』 「もう少しで着くぞ」 『うん』