シンと静かな部屋のせいで俺の鼓動の音が哲に聞こえてしまうんじゃないかと思い慌てて話題を探り出した。 「もう体調は大丈夫なのかよ?」 「あぁ。平気。委員会の仕事頑張りすぎたかなーあの先生、人使い荒いからさ」 まだ少し青い顔色で明るく笑う哲が、痛々しい。 「……ごめん。何も手伝ってやれなくて」 「ハハ。らしくないなぁ翼がそんなこと気にするなんて」 蚊が鳴くような声で呟いた俺の言葉を哲が笑い飛ばす。 そのいつもと同じ爽やかな笑顔にちょっとだけホッとした。