わたしの横をすっと通り過ぎて窓の方に行く水瀬くん。
見慣れてしまった後ろ姿。
正面からあまり見たことはなくていつも後ろ姿しか見ていなかった。
見ているだけで楽しかったんだよね。
これもきっと、恋。
わたしはたぶん恋をしていた。
もう、終わった話だけど。
「及川さんは誰かと一緒に花火見たりしないの?」
ドンっと大きな音が心臓にまで響く。
花火が打ち上がったようだ。
「水瀬くんこそ一緒に見たい人とかいるんじゃないの?ここにいちゃダメじゃん」
小さく笑いながら窓の方にわたしも近づいていった。
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