【完】うしろの席のオオカミさん



キーンという音が聞こえステージの方に視線を向けてみると



「んなっ……」




こちらに歩いてくる大上くん。


なんで注目を浴びるようなことばかりするの?
そんなに目立ちたいわけ!?


わたしを巻き込まないでよーっ!



「り、莉乃ちゃん……わたしお腹痛いからトイレ行くねっ」


「えっ!?ちょっ、日向子」




莉乃ちゃんの引き止める声をも無視して急いで体育館から出る。



制服に着替えておいて正解だ。
あんな浴衣じゃこんな思い切り走れなかっただろう。