【完】うしろの席のオオカミさん



ステージに出てきたのは選ばれた人たち。


その中にあの男の姿を発見してしまった。


止むことのない黄色い声。
大きくなる拍手。



「郁磨ぁーっ!ちょーかっこいい!」


「大上くーんっ!」




この男の名前しかさっきから耳に入ってこない。


ねえ、みんな。
大上くんだけじゃなくてさ、他の出場者の人たちの名前も呼んであげようよ?


司会者がひとりひとりを紹介し始める。


ぺこっとお辞儀する愛華ちゃん。
可愛すぎ!可愛すぎる!


わたしがもし男だったら絶対彼女にしたい!