一段と低くなった声。 慌てて視線を上げると、なぜか知らないけどこの人はわたしの携帯をいじり始めている。 ちょっ……待っ…! ロックかけてないよー!! 「返して!お願いします!」 「これ、俺と同じ機種じゃん」 手を伸ばして取り返そうとしてもひょいっと高く手をあげられ携帯は届かないところに。 もうっ、なんなのこの人! 性格よろしくない!! おまけに無駄に背が大きいし。 「俺、及川の後ろの席なんだよね。知ってた?」 知ってますとも。 だって、同じクラスになってもう何ヶ月も経ってるもん。